マーケティングリサーチの目的とは?6つのリサーチ方法と手順

皆さんは何かをするときに、高い割合で調べてから実行しませんか?
例えば、友達と御飯に行くなら、事前にどんなものを食べたいのか、どのあたりで食べようか、時間帯はどのくらいがいいかを、相手に聞いて、お互いの希望に合うお店を探して食べに行きますよね。
小さな事なら新しいシャンプーを買うときに、いつものにするか別のものにするか、パッケージなどの情報や口コミを調べたりしませんか?
新商品でサラサラヘアになれる!と書いてあったりすると興味を惹かれてどんな効果があるか見るという人はいらっしゃるでしょう。
新商品が発売されるときはどういう機能があるのか、種類はいくつあるのか、どこで販売されているのかなどの情報を集めたりしますよね。
「調べる」というのは何もネットなどのツールでということではありません。
家族とご飯を食べに行くときに何を食べたいか全員の意向を聞くのも調査の1つです。
このように、日々の生活の中には様々な調査が行われており、それによって人は判断をして行動をします。
日常生活で行われているということは、ビジネスの場面でも使われているということです。何かビジネスを始めるときは必ずといっていいほど調査を実施しています。
もちろん様々な種類や手法があるかとは思いますが、今回はマーケティングリサーチについて紹介します。
マーケティングリサーチの目的と、6つのリサーチ方法と手順について紹介をしていきたいと思います。
Contents
マーケティングリサーチとは
マーケティングリサーチとはマーケティング活動の中で発生したあらゆる問題に対して解決へ導く方法を見つけるために様々な方法を用いてデータを収集・分析することです。
数値的データのみならず、市場の状態や顧客満足度などのデータも収集していきます。
現在から現在の市場の動向のみならず、過去のデータを用いて未来を予測し、製品の改良などを実施して売上アップを狙う手法です。
収集したデータの中から市場・消費者の動向を探り、表面上に現れていないお客様の需要を見つけていきます。
マーケティングのあらゆる問題の解決のために実施されるため、商品開発のみならず、広告を出すときにも実施されることがあります。
市場調査との違い
よくマーケティングリサーチと同義として扱われることがありますが、厳密にはその一部という認識になります。
マーケティングリサーチが数値から数値で表せないデータまで収集・分析するのに対し、市場調査は数字や数値で市場の状態を把握してマーケティング施策を立てることを指しています。
ですので、数値データの部分を指して行っているといった認識に近いです。
この市場ではどんな商品が売れるのか、どんなものの需要が高いのかなどを探るための調査ですので、商品開発などの段階で実施されることがほとんどになります。
マーケティングリサーチの目的
最終的には発生した問題の解決を目指しています。ただしマーケティングリサーチはあくまで調査なので、解決のためのヒントを集めることを指すのです。
そこから有効な解決策を考えるのは立案の段階に入ります。
ですので、あくまで目的は発生した問題の解決策を見つけるために必要なありとあらゆる情報を収集し、そのデータを分析することとなるのです。
マーケティングリサーチの手順
マーケティングリサーチを実際に行うとなると、どう進めていいかわからないとなる方もいるでしょう。
基本的な流れがありますので、その流れを紹介していきます。
作業をもっと細分化することも可能ですが、ある程度の流れを把握しておけばすぐ取り組むことになっても対応できるかと思います。
目的の明確化
まずは何のために実施するのかを明確にします。
発生している問題は何か?その問題はどんな背景があり発生したのか?など解決したい問題とその糸口となる情報のあたりを付ける作業になります。
解消したい問題がわからなければ調査のしようがないので、まず最初に取り組みます。
企画
上記で明確した問題に対し、どのようにアプローチをかけていくのか計画を立てていきます。ここで調査の方法や対象、地域などを選定していきます。
調査のための情報収集を実施し、どのように実行するのか決定していきます。方法をどうするのか、調査員の条件はどうするのか、予算はどうするか、などについても決定していきます。
質問項目の設計
明確化した問題の解決するための質問項目を作成していきます。目的とずれると意味のない調査になるので、必ず目的を据えたうえで実施します。
方法としては自由回答法と選択法があります。
自由回答法は質問票の作成が簡単で、消費者の思考や動機などを探る時に有効です。ただ、回答者ごとに書くことがバラバラなため、結果の整理に手間がかかります。回答者のレベルに取って結果が左右されることも少なくありません。
選択法は、はいかいいえを選ぶ賛否法や、複数の選択肢から1つを選ぶ単一選択法、いくつか選ぶ多項選択法、重要なものだけを選ぶ制限選択法と、段階評価で選択する評定法、選択肢を順位で選ぶ順位法があります。あいまいな回答を避けられるほか、結果の整理が非常に簡単です。ですが、選択肢の設定が難しいというデメリットがあります。
実施
調査方法と質問項目を決めたのち、実際に調査をしていきます。
この時、企画時点で決めていた条件の通りに調査員の選定をし、十分な教育と訓練をすることが重要です。できる限り客観的な意見を集めるように行い、回答を確実に得られるようにします。
分析
集めた情報は結果を整理して分析をしていきます。
数値の場合は平均や統計、時系列ごとの傾向などを探っていきます。
数値でない場合は、情報を仕分けたりなどして、世代別の傾向や市場の動向を探っていきます。
分析した情報を掘り下げてそのデータが持つ意味などをさらに分析していく必要があります。
報告・提案
調査の詳細を資料にまとめるとともに、その分析の結果や結論を報告します。
結果や結論から解決への糸口を提案していき、それをもとに戦略を立てていきます。
報告書は、
概論・結論
↓
趣旨
↓
目的、期日、方法、対象者
↓
分析結果
↓
提案
の流れで作られることがほとんどです。
以上の流れで実施していきます。何事もそうですが、準備は入念にぬかりなくやることが必要ですよね。調査は準備の中でも一番気の抜けない部分になります。1工程ずつ確実に進める意識を持って取り組むべきでしょう。
具体的なリサーチ方法
実際に行う調査の方法はいくつかあり、目的や市場、対象者に応じて適したものを選らんで実施していきます。
方法の中にもさまざまな技法があることがあるので、どのやり方が適しているのか見極める必要があります。
これは、1つの方法のみで行わなければいけないわけではないので、複数の手法を組み合わせて実施することもあります。
質問法
質問票を作成して対象者に回答をもらう手法です。
以下に方法と、それぞれの説明を紹介します。
面接法・・・調査員と対象者が面接を行い、直接回答を得るもの。回収率が高い反面、コストと時間がかかる。
郵送法・・・質問票を郵送して対象者に回答を記入して返送してもらうもの。コストを抑えて広範囲に調査できるが、回収率が低い。
電話法・・・対象者に電話をかけて回答を得るもの。コストを抑え短時間でできるが、短く簡単な質問しかできない。
留置き法・・・調査員が質問票を直接か郵送で対象者に渡して質問内容等を説明し、期限を付けて回答を依頼する。後日調査員が対象者を訪ねて回答を回収するもの。コスト、時間ともにかかるが回収率が高く回答の客観性も高い。しかし、回答したのが本人かは定かでないことがある。
観察法
調査員が現場などを直接観察し、データを収集する方法です。
客観的かつ具体的な情報を得られるが、時間とコストがかかります。また、お客様の心理が絡むものに関しての情報を得ることはできません。
以下に方法と、それぞれの説明を紹介します。
動線調査・・・小売店の店内などで、お客様の流れなどの情報をもとに、通路幅や配置が適切かを検討するもの。商品配置や店舗改装などの際に有益。
他店調査・・・同業他社の動向を調べるもの。競合の客層や客単価、主力商品や新商品、商品配置などを調べる。自社の改善と競合への対抗に役立つ。
交通量調査・・・自動車や人の流れを観察し、一定時間ごとの交通量や流れの方向を調べるもの。交通量と売上の関係性を調べ、さらに売上をあげられる方法を見つけていく。
実験法
発生した問題を実験を行うことで調査する手法です。試験的に広告を出したり、モニターなどに商品を試してもらいその結果から問題の因果関係と解決法を探っていきます。
広告効果テスト、消費者使用テスト、陳列テストなどがあります
広告効果テスト・・・同一の商品の広告を、大きさ、地域、日にちを統一して内容を同一もしくは変えて同じ媒体に掲載して効果を見るもの。どの時間帯にどういう広告が合うかを見ることができる。
消費者使用テスト・・・消費者に商品を提供してそれを実際に使っていただき、使用中・使用後の感想や意見を報告してもらうもの。いわゆるモニターである。
陳列テスト・・・実際に一定期間商品を陳列し、消費者の反応を観察して、その結果に応じて採用するデザインなどを決定するもの。
パネル調査
パネルとは調査対象として固定されたメンバーを指す言葉で、パネルに対して一定期間繰り返しを実施する方法です。
買い替えのスパンや市場の動向、視聴率の変化などの調査の際に使用されます。
モチベーション・リサーチ
購買動機などを探るため、消費者心理などを詳しく把握して分析するもので、心理学的な技法を用いてデータを収集します。
いわゆる深層心理から隠れた動機などを探っていきます。対面で1対1の調査を行うこともあれば、団体で行うこともあります。
グループ・インタビュー
司会者が進行して、数名の対象者に座談会のような形で意見を出してもらい、その内容などを分析して仮説を出すものです。
意見を交わす中で出た情報を分析するだけでは仮設でしかありませんが、ここに数値データを照らし合わせるとより効果的な結果を出すことも可能になります。
このようにいくつかの手法があり、自身にビジネスに適したものを実施していくことで問題解決に導きます。
手法によっては、限定された状況で強い効果を発揮するものもあるので、市場と自社と対象者の状況を見て判断していきましょう。
まとめ
いかがでしたか?
何事もそうですが、準備は非常に大切です。準備が不足していれば失敗を招きやすくなります。
調査とはその準備の最たるものです。何をするにもまずは調査をして、本当にこのまま進めていいのか、この問題を解決するにはどうすればいいのかのヒントを集め、集めたものかた答えを導いていくのです。
マーケティングリサーチとは、マーケティング活動のあらゆる問題に対して適した手法を用いて調査を実施し、問題解決のために結果を分析して解決策を提案すること。
ビジネスを正確に進めていきたいのであれば、必ず覚えておきましょう。
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それではお読みいただきありがとうございました。またの機会をお楽しみに。
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