ストーリーテリングの2つの効果とは?【物語で人を動かす】

どうも、岩瀬です、、、、
皆さんは、ストーリーという言葉にどんな印象を持っていますか?
おそらく、大抵の人が小説や漫画、映画にドラマなど、
エンターテイメントとしての印象を強く持っていると思います。
しかし、ストーリーはエンターテイメントだけに留まらない、強いパワーを持っているのです。
ストーリーは人の心を動かし、行動を変える、最も有効な手段です。
今回は、そんなストーリーの持つ力についてまとめていこうと思います。
様々な場所で使われるストーリーテリング
実は、ストーリーは私たちが思っている以上に根深く、私たちの生活に関わっています。
幼い頃、よく絵本を読み聞かせてもらったことがありますよね。
おとぎ話やことわざ、怪談なんかも古くから語り継がれています。
更に遡れば、神話など、宗教にもストーリーが使われています。
このように、ストーリーは太古の昔、
人類が生まれた頃から、あらゆる場面で使われてきました。
そしてストーリーは、現代におけるビジネスにも幅広く活用することができるのです。
ストーリーテリングとは?
そもそもストーリーテリングとは何なのか?
ストーリーを『人物や出来事、時系列を関連付け、繋ぎ合わせて語ったもの』とすると、
ストーリーテリングとは、
自分の伝えたいことを関連するストーリーを引用することによって、
相手に強く印象付けることができる効果のある手法です。
ではなぜ、ストーリーを使うのでしょうか?
ストーリーテリングで語ることで得られる効果を、具体的に紹介していきたいと思います。
ストーリーテリングの2つの効果
ストーリーテリングを行うことによって得られる効果は、大きく分けて2つあります。
感情を動かす
まず、ストーリーには人の感情を動かす効果があります。
例えば、通称『ビリギャル』として数年前に話題となったあの書籍も、
ただ単に『慶應大学に合格した話』というタイトルだったら特に関心も持てませんよね。
しかし、『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』と
登場人物や時系列などを追加し、ストーリーにするだけで、
目にした人の想像力を搔き立て、一瞬で興味を引くことができます。
また最近では、お客さんが全然入らないお店を
『○○歳の店長がこんなこだわりを持って作ったお店ですが、お客さんがこなくて寂しがってます!』
というような内容でSNSで紹介したところ、拡散されて大盛況となった…
なんて例も多くなりました。
値段やクオリティ、メニューで他の店に勝てなくても工夫を凝らし、
同じく登場人物や経緯、感情などを追加しストーリーに仕立てて紹介するだけで、
頑張っている店長に共感し、応援したい…という思いを抱かせ、お客さんの心を掴むことができるのです。
このようにストーリーテリングを使うことで、
興味を抱かせられる
想像力を働かせられる
共感や応援を得られる
感動させられる
というように、聞き手のあらゆる感情をうまく動かすことが可能になります。
たとえ自分の店や商品が、機能的に他のものと劣っていたとしても、
ストーリーテリングを使うことで人の心を掴み、
注目してもらえ、無理をせず差別化を図ることができるのです。
記憶に残る
もう一つの効果は、ストーリーは長く記憶に留めておくことができるという点です。
試しに、5年以上前の記憶を思い起こしてみてください。
どんな記憶が出てきましたか?
驚いたこと、感動したこと、
大成功や大失敗の記憶、楽しかったことや意外に思ったことなど…
感情を揺さぶられたような記憶を、自分にとって印象深かったエピソードと共に思い出したのではないでしょうか。
人は常に全ての事象を記憶することはできません。
しかし、何かを思い出そうとする時、『あの時あんなことが起きてどう思った』というように、
物事を関連付けて意味を持たせることができれば、それは意識の中に記憶しておくことができます。
つまり記憶というものは、ストーリーをベースにして形成されることが殆どなのです。
そのため、ストーリーテリングによって物事に意味付けすることで、
『印象に残す』ということがしやすくなります。
ストーリーテリングの活用法
色々なメリットを上げてきましたが、
では実際にどのような場面で有効に使うことができるのでしょうか?
始めにお話した通り、ストーリーテリングは、
ビジネスにおけるあらゆる分野で使うことができます。
その一つの事例として挙げたいのが、『奇跡のリンゴ』です。
おそらく聞いたことがある人も多いのではないかと思います。
当時「絶対不可能」な栽培方法とまでいわれた、
無農薬によるリンゴ栽培を成し遂げたという青森のリンゴ農家、木村秋則さん。
彼の実話を書いた書籍は、NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」で紹介され、
一大ベストセラーになりました。
2013年には、映画としても公開されています。
少し簡単にあらすじを紹介したいと思います。
農薬でアレルギー反応が出てしまった妻のために、
無農薬無肥料によるリンゴ栽培を決意するも、木村さんの試みはことごとく失敗してしまいます。
そのうち借金ばかりが膨らみ、
次第に周囲の農家からも孤立していき、家族にも苦労をかけてしまいます。
10年の歳月がたっても成果が実ることはなかった時、
木村さんはついに自殺を決意し、岩木山へ向かいました。
そこで木村さんは、自然の中で立つ一本のくるみの木を見つけます。
「なぜ自然の中であっても、樹木は枯れることなく立っていられるのか?」
その疑問が奇跡の大逆転の糸口となり、
木村さんはついに、無農薬で育つ『奇跡のリンゴ』を完成させたのです。
この物語の中での無農薬の定義については、
ネット上で度々議論がなされていますが、それでもこの木村さんの作った『奇跡のリンゴ』は大反響を呼びました。
今となっては、数に限りがあり販売されていませんが、
当時は公開10分で瞬く間に完売するなど、大好評だったようです。
なぜ、木村さんのリンゴはそんなにも売れることができたのでしょうか?
確かに誰も成しえなかったことをやり遂げたのはすごいことですが、
ただ『無農薬で栽培したリンゴ』というだけでは、人々の注目はここまで集められなかったと思います。
人の人生を評するわけではありませんが、映画のストーリーとして見てみれば、
『家族のため』というきっかけやどん底まで落ちたクライマックス、
その後の大どんでん返しと感動のラストなど、人が心を動かすに十分な『感動的』エピソードですよね。
映画を見て感動した人々は、
「実際にこのりんごを食べてみたい!」と思うようになります。
これこそまさに、ストーリーを使ったブランディングなのです。
心が動けば、人は行動を起こします。
『奇跡のリンゴ』は、ストーリーによる付加価値を十分に利用し、成功を収めたモデルケースといえます。
このように、ブランディングやマーケティングではもちろん、
コピーライティングやセールス、プレゼンテーションや組織の風土作り、人材育成など、
どんな分野においても、ストーリーは人と関わる面全てでその力を発揮します。
そういう意味では、全ての人が活用できる手法なのです。
まとめ
ストーリーの持つ力の強さを感じていただけたでしょうか。
エンターテイメントに留まらず、様々な感情に訴え、
記憶に残すことができるストーリーテリングという手法。
ぜひ、あなたの分野でも活用してみてください。
次の記事からは、実際にどのようにストーリーを語ればいいのか、
その具体的な技法について紹介していきたいと思います。

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